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『極限芸術~死刑囚の表現~』鞆の津ミュージアム(広島県福山市)

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話題の絵画展を観に鞆の浦へ行ってきました。
昨年オープンした鞆の津ミュージアムでは、アール・ブリュット、アウトサイダー・アートと呼ばれる、既存美術の外側にある表現にスポットを当てています。アウトサイダーアートと言うと障害者アートのイメージも強いけど、鞆の津ミュージアムは安全圏から飛び出して、毎回かなり攻めた企画展を開催しています。

現在は、死刑が確定・執行された死刑囚の絵画展『極限芸術~死刑囚の表現~』を開催中。開催前から各所で話題と批判を集めています。(フライヤー裏には、『来るなら来い!』と書いてあった。こんなオラオラ系の美術館を他に知らない。)
限られた空間の中で死刑執行を待つ、極限状態から生まれた表現。観る人に「人はなぜ表現するのか?」という疑問を付きつけます。

中央の美術館ではなかなかこんな企画できないんじゃないかな。キュレーターの櫛野さんの情熱と行動力がすごい。これだけの規模で作品が観れる機会はありませんから、ぜひ広島まで観に行ってください。

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今回は編集者の都築響一さんのトークイベントにも参加しました。社会のアウトサイドにいる人たちを多く取材している都築さんは、何かに閉じ込められている人の表現について話します。

空間に閉じ込められた人、自分の心の中に閉じ込められた人。彼らは自分の作品を世に出したいとか注目されたいなんて思っていない。じゃあ「なぜ作るのか」というと「作らずにいられないから」です。自身や作品が注目されることを嫌がる作者もいるけど、それでもキュレーターやジャーナリストは作品を発見して公開しなくちゃいけない。(意訳)

アウトサイダーアートといえば必ず名前の挙がるヘンリー・ダーガーは、絵と小説を描き始めてから60年以上、自ら公に作品を発表することはありませんでした。身寄りのないダーガーがアパートを去り、大家でデザイナーでもあるネイサン・ラーナーが部屋を片付け始めます。そのとき初めて膨大な作品が発見され世間にも紹介されたのです。ダーガーの作品と生涯に多くの人が衝撃を受けました。

社会に新たな視点と問いを与えることは、芸術の役割の一つです。

本展を通して、「なぜ観るのか」ということも考えてみたけど、それは「自分の価値観を揺さぶる新たな視点と問い」を求めずにいられないからかもしれない。心を揺さぶられる快感を求めて、鞆の津ミュージアムへはまた何度でも訪れるつもりです。

参考サイト:アール・ブリュット 鞆の津ミュージアム
旅行日:2013年4月21日
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by haruka9blog | 2013-04-27 19:02 | フィールドワーク

トウキョー幻想美術のお店(東京都渋谷区、東京都江東区)

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東京で行きたかったお店に行ってきたのでレポート。

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LIBRAIRIE6/シス書店
恵比寿にあるシュルレアリスムのギャラリー。
作家であったオーナーご自身について調べていたときにこちらのギャラリーの存在を知りました。

現在開催中の「金羊宮」展は~4月21日まで。
宇野亞喜良、桑原弘明、合田ノブヨ、山下陽子ほか多数の豪華作家による「羊」を題材にした展覧会です。
実際に触れられる作品や手ごろな値段の作品があるのもうれしい。
アート作品のほか小さなアンティーク雑貨や関連書籍も揃っています。
5月からは宇野亞喜良展を開催予定とのこと。

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古書ドリス
深川にある、アート・幻想美術・文学が専門の古本屋さん。
徳島に店舗を構えていたときからネットショップを見て気になっていたものの
店で本買いたい派としては、なかなか店舗まで行く機会がなく…。
昨年末、東京に移転されたと聞いてようやく伺うことができました。

ツボを押さえたタイトルが並ぶ書架は眺めているだけで楽しい。
1階の路面店で、想像していたよりも明るく入りやすいところでした。
たっぷり時間をとって訪れたい古本屋さんです。

訪問日:2013年3月16日
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by haruka9blog | 2013-03-19 01:00 | ショップ

四谷シモン人形館「淡翁荘」(香川県坂出市)

東京の写真が半分ほど消失したため(;o;)東京を飛ばして坂出、松山篇。

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本州と四国をつなぐ瀬戸大橋のある坂出市へ行ってきました。
ここでの目的は、四谷シモン人形館「淡翁荘」。
開館日が火・木・土と限られているためなかなか行けないでいたのですが、ようやく都合が合って訪問しました。

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まず出迎えてくれるのは「ルネ・マグリットの男」。
1970年の大阪万博での展示に使用された作品。
ちなみにこの館は建物も作品も写真撮影バンバンOK!です。わーい。

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一階応接間。
淡翁荘はもともと鎌田醤油の迎賓館として昭和初期建てられた建物とのこと。
皇室の方がいらっしゃることもあったようで、館内には専用の玄関口がある。

四谷シモンと鎌田醤油の関係が疑問だったんだけど、もともと直接的な関係は無くて、大規模展覧会の後で行き場を失ったシモンドールたちを受け入れたい、と申し出たのが鎌田醤油だったらしい。
煌びやかな洋館とシモンドールのデカダンスな雰囲気がよくマッチしている。

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展示方法が変わっていて、扉や引き戸を開けた小さな空間の中に人形が収まっている。
博物館の標本なんかもそうだけど、静的な作品を「自分で開けて見る」という体験を通して見せることで、ずっとワクワクしたものになるよね。

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金庫の中の天使。ライティングが良い感じ。

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階段の上の天使。

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二階広間。

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少女。こんなに間近に見れるのが嬉しい。

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男の人形、少年、少女。

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床が寄木でできている。

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二階広間奥。天使が2人。

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「未来と過去のイヴ」
澁澤龍彦が名付け親。当時の原稿も展示されている。

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そしてなぜか森谷延雄の洋風書見木具が。
2010年の展覧会の折、その作品を見て甚く感激したので、こんなところでまた現物を見ることができて嬉しい。

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他にも大正~昭和初期頃の民藝風、洋風の椅子がある。
館全体の内装や什器、丁度品がとても素敵なのでお見逃しなく。

参考サイト:
「淡翁荘」四谷シモン人形館
夢みる家具 森谷延雄の世界展

旅行日:2012年9月22日
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by haruka9blog | 2012-11-04 00:22 | フィールドワーク

島に溶け込む現代アート 直島(香川県直島町)

京都から18きっぷで行く旅記録、第1回は香川県直島町。
もともと美術が好きで展覧会を観たりしていく中で、段々とわたしたちと同じ時間を生きる現代アーティストにも興味を持ちはじめました。
直島といえば日本でも最高の現代アートコレクションを持つ島!
ぜひ訪れてみたい場所でした。

直島は岡山県と香川県の間、瀬戸内海に浮かぶ小さな島です。
この島は安藤忠雄設計の地中美術館をはじめ、島を舞台に数々のアートワークを行っています。
岡山の宇野港からフェリーで20分。直島までの道のりも期待感を高めてくれます。
ワクワク!

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直島が近づいてくるとだんだん落ち着かなくなります(笑)。
直島の宮浦港に到着して、まず出迎えてくれるのは「海の駅なおしま」。
棒の上に板が乗っかったようなこの建物は、妹島和世と西沢立衛のユニットSANAAによるものです。
SANAAは金沢21世紀美術館の設計などでもよく知られていますね。

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この海の駅で町の地図などゲットしておきます。
フェリーの時刻表も載っているのでしっかり確認してから探索開始!
直島は歩いても回れるし、レンタサイクルも利用できます。
ただし自転車は坂道が多いので注意!
そして道案内があまりない!
わたしは地元の方に呆れられるくらい超迷った!!

まずは家プロジェクトから回っていきます。家プロジェクトは、もともとあった古い建物を利用して建物まるごとアート作品にしてしまったものです。家プロジェクトは全部で7ヶ所。その中でもわたしが一番観たかったのが杉本博司の護王神社です。神社がアート作品?!わたしが訪れたときは一の鳥居の回りの朝顔がきれいに咲いていました。

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アート作品、と言っても神社。境内は静かな空気に包まれています。

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本殿に近づいてみると…

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本殿から地面に向かってガラスの階段が下りています。
この階段、実は地面を潜って地下にある石室まで伸びているんです!
作品は石室の中まで観ることができます。
懐中電灯を手に人一人がやっと通れるくらいの暗い通路を進むと、本殿の真下、石室へ着きます。
別世界までつながっているようなガラスの階段が、地上から漏れる光を受けてきらめく様子はとても神秘的。石室から出るときに見える、杉本氏の粋な計算も素敵です。

家プロジェクトで言うとジェームズ・タレルと安藤忠雄の南寺でも不思議体験ができました。
直島は観るだけじゃなくて体験できるインスタレーション作品が多くあるので、
現代アートに親しみのない方でもすごく楽しめていいですねー。

つづいてベネッセミュージアムへ。
こちらは美術館なので内部の写真は撮れなかったのですが、こちらも楽しめる作品が盛りだくさん!
館内を飛び出して野外にもたくさんの作品があって、それを探しにいくのも宝探しのようで楽しいです。
ここで観た草間彌生のかぼちゃは直島の景色の中で一際格好良くみえました。

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直島にコレクションされているアート作品は現地制作されたものが大半なので、
直島という環境に作品がしっくりとなじんでいるように思います。

そして地中美術館!この美術館が楽しみで楽しみで!
地中美術館へ行く際はまずチケットセンターでチケットを買ってから入館するのですが、そこで注意事項が。

「建物自体も作品ですので白い壁などに手を触れないでください。」

なんと!
美術館でそんなこと初めて言われました。
スタッフさんたちはみんな揃いの白衣を着ていて、それも作品の一部のようです。
うーん!これは期待が膨らみます。
地中美術館で展示されているのはクロード・モネ、ジェームズ・タレル、ウォルター・デ・マリア、建築の安藤忠雄をいれて4人の作品だけなのですが、全てが恒久展示とあって各作品のための空間に細部までこだわりが感じられます。
ここでのお気に入りはウォルター・デ・マリアの「タイム/タイムレス/ノータイム」という作品。
ピタリと静止した球体とシンメトリーに配置されたオブジェクト達がつくりだす静謐な空気は、まるでヨーロッパの聖堂のようでした。

だいぶ日も傾いてきたのでもと来た宮浦港方面へ戻ります。
旅の疲れを癒すべく、最後に訪れたのは直島銭湯「Iラブ湯」!大竹伸朗が手掛けた銭湯です。
これが銭湯だとは思えませんねー!

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よく見てみると壁面を飾るオブジェクトひとつひとつがおもしろくて見飽きません。
銭湯内の写真は撮っていないのですが…大きなゾウがいます。メスです。
そこにもここにもいたるところにおもしろい要素が詰まってます。トイレまで要チェック!
2009年の夏に完成したばかりの新しいお風呂だったし、気持ちよかったー。

疲れを癒す、と言ってももうフェリーに乗る時間まであとわずか。
大急ぎで着替えてフェリーに乗りこみます。
出発前の船内から外を見下ろしてみると、公園のイスに座っている方々がいました。
この作品は人がいて作品になるんだなぁ…。

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直島で感じたのは、作品が島の環境に溶け込んでいるということ。
島の方たちはすごく優しくて道に迷った時は何度も助けてもらったのですが、
その方たちと接してみると、とっつきにくい印象のある現代アートをすごくポジティブに受け入れていました。
一見、現代アートとはいちばん縁遠そうなおじいちゃん、おばあちゃんが作品や島について説明してくれます。
これはすごい!
計画時には様々な問題や障害があったんじゃないかと推測しますが
、これだけ現地の人たちを取り込んでいるというのは、本当の意味で成功しているんですね。
まだまだいろんなアートプロジェクトが進行中なので、作品と直島の人たちに会いにまた足を運びたいと思います。

訪問日:2009年9月9日/2009年12月23日
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by haruka9blog | 2010-01-22 21:09 | フィールドワーク


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